もしも過去に戻れるのならー
私は、サスケ君を引き止めるだけじゃなく、
ナルトとの関係も最初から始めたい。
過去の自分が犯した過ちをなかったことにしたいから。
ごめんね、ナルト…。
「サークラちゃーん!!」
「ナルト…どうかしたの?」
「サクラちゃんこそそんな暗い顔してー、何かあったのか?」
「別に…何も、ないわよ」
ナルトは不思議そうに首を傾げたが、
修行があるようで、サクラを気にしながらもその場を去って行った。
(ごめんね、今は1人で考えたいの…)
去って行くナルトを視線で追いかけたが、
ナルトが去ると、再び目線を下に流れる川へと移す。
暁と戦って、人柱力のことを聞いて、ナルトや我愛羅君の苦しみを見て…
自分がとてつもなく愚かだったことを知った。
第七班としてチームを組んでから、
ナルトのこと、少しずつ理解してきたつもりだった。
だけど、本当の苦しみや悲しみをこれっぽっちも理解していなかった。
自分が人柱力と知ることなんて苦しいどころじゃないのに。
それに蘇るあの日の記憶ー
“ナルトなんて…ウザイだけよ”
“アイツってほら、親いないじゃない”
ナルトを見るたびに昔の自分が蘇る。
私、なんて酷いことをしたんだろう。
そしてもっと酷いのは、ナルトが好きだと気づいてしまったこと。
今まで散々な態度をとってきたのに、今さら好きなんて都合がよすぎる。
(私…最低だ)
考えていても時間は過ぎるばかり、一向に答えは見つからない。
サクラは気分を変えるために、修行中のナルトがいる森へと向かった。
(ナルト…)
必死になって修行をしている姿を見て、ますます惹かれてしまう。
(ホント都合良すぎ…)
自己嫌悪に陥り、ナルトに気づかれないように、その場に座り込む。
そこへーサクラの気配に気がついたヤマトが声をかけてきた。
「サクラ、こんな所で…どうかした?」
「ヤマト隊長…」
サクラは以前、自分の気持ち見抜いたヤマトになら…と
考えていたこと全てを話す。
「…なるほどね」
「だからナルトが私を…私なんかをいつも守って、
助けてくれることに心が潰れそうなんです」
「でもナルトはそんなことー」
「考えてないですよね。アイツのいい所いっぱい知ってる。
こんなことナルトにとっては何でもないってことも。
だけど私は過去の自分がどうしても許せなくて」
「でも今、キミが好きなのに拒んだら、ナルトはもっと傷つくよ」
「それでも私は今までー」
「過去の過ちを振り返るのも大切だけど、
そればっかりだと今を見失っちゃうよ。
人は失敗をして成長していくものなんだからね」
「……」
「ほら、考えてる暇あるならナルトの所に行くんだ。
それで思ってること全部言っておいで」
「だけどナルトが拒絶したら?…私はそれが怖い」
「キミはナルトのいい所いっぱい知ってるんだろ?」
「…ですよね。ナルトはそんな人じゃない」
「ほら、行って!ナルトには10分後、
アカデミー横のベンチで待ち合わせって伝えとく」
「で、でもまだ心の準備が…」
「もう後悔したくないんだろ?」
「……ハイ!」
ヤマトに言われた待ち合わせ場所に行くと、既にナルトが待っていた。
「ナルト!!」
「サクラちゃん!ヤマト隊長から聞いてさ、
それにオレもサクラちゃんに用があるんだってばよ」
「良かった。私、アンタに言いたいことがあって…」
走ってきたため息を切らしていたサクラは息を落ち着かせる。
そんな目の前に小さな花束を見せるナルト。
「…!!」
「最近元気なかったから…。
サクラちゃんは花が好きっていのが教えてくれたんだってばよ」
「…ありがと」
「いいっていいって。それよりサクラちゃんの用ってのはー」
話を振られ、一瞬伝えていいのか躊躇ったが、
先ほどのヤマトの言葉を思い出し、想いを打ち明ける決意を固める。
「ナルト、私…アンタが好き。友達としてもだけど、それ以上に好き」
「サクラちゃん…」
「ナルトがどう思ってるかは分からないけど、
これだけはちゃんと伝えたかったから」
想いを伝えて、少し恥ずかしそうにうつむくサクラ。
そんなサクラにナルトは優しく声をかける。
「…オレはアカデミーの頃からずっとサクラちゃんを見てきた」
「ナルト…」
「オレもサクラちゃんが大好きだってばよ」
そう言っていつもと変わりのない笑顔を見せるナルト。
その笑顔を見て、今までの想いがどっと涙として溢れ出る。
「…ナルト…ありがと…う」
「へへっ…相変わらず泣き虫だなぁ、サクラちゃんは」
「…っアンタ、カッコ良すぎなのよ」
悲しんだり、後悔したり、落ち込んだり、後ろ向きな考えはもうしない。
目の前にいる、こんなにも自分を想ってくれている人を
これ以上、悲しませることはしたくない。
今はナルトだけの幸せを想うー
ーENDー
≪あとがき≫
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
初書きナルサクでした。NARUTOにハマった頃からサスサクよりも
ナルサク派だったので、遂に書くことができて満足です。
とはいえ、正式にサスサク/ナルヒナが結ばれたため、
このCPも今後書くことがないレアなCP入りしちゃいました(^^;
ナルトは普段真面目なキャラじゃないので、ネタを探したり、
文字にするのが難しいのですが、直球型な分、
無口なサスケやネジよりは書きやすかったです(笑)
それにしてもヤマトのお節介ぶりが楽しかったです。
カカティはこんなことしないよなぁと思いながら、
ヤマトならではってことで入れてみました。
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