「ねぇこの水着とこの水着、どっちが良いと思う?」

サクラは両手に水着を持ち、
ベッドの上に座って本を読み続けるカカシに尋ねる。
片方はビキニ、もう片方はワンピースの水着だった。

「ん~~ま、オレの好みはこっちかな」

カカシは本を読んだまま、ビキニを指差す。

「わかった。じゃあそうする。明日いのたちと海に行くのよねー」

「あ……そう…」

どことなく心ここにあらずな様子で適当に相槌を打つカカシ。
そんなカカシの態度にサクラは頬を膨らませー

「そう言えばいのと、あとシカマルでしょー、チョウジでしょー、
 あ、ナルトも来るって言ってたわ!」

わざと異性の名前を出し反応を期待したが、それも無駄に終わる。

(もう!カカシ先生ってば本ばかり読んで!
 こうなればナルトじゃないけど、お色気作戦しかないわね)

あまりに無関心な様子に、サクラは何とかカカシの興味を引こうと
脱衣所へ行き、ビキニを着ると、そのままカカシが座っている
ベッドに上がり、カカシの顔を覗きこむように水着で迫る。

「ね、先生。どぉ?」

「…!!ちょっ待て、サクラ。明日はワンピースにしような」

自分で選んだ水着を着ているサクラを見て、
慌てて先ほどの選択を撤回する。

「え…」

「年頃の女の子がそんなお腹を見せてはいけませーん」

「…なによー。彼女を家に呼んで放置する人に言われてもねー」

「…放置……あぁこの本ね、ごめんごめん」

「謝ってもだーめ。明日の海はもう決定しちゃってるし、
 水着をどっちにするかは明日考えよーっと」

「サクラ~」

サクラは一瞬、嫉妬らしきものをしてくれたことに笑顔を見せるが、
今日は久々のデートだったにも関わらず、朝から話しかけても反応が薄く
いつも以上にぼーっとしているカカシを見て不満と不安が混ざり合う。

いつもなら2人がオフの日は夜まで一緒に過ごすのだが、
サクラは着替えが終わると、そのまま部屋を出て行ってしまった。




次の日、サクラは迷った末にビキニを下に着て海へと向かった。
水着に迷い待ち合わせ時間ギリギリではあったが、
到着すると事前に聞いていたメンバーではなく、いのだけが待っていた。

「あれ?みんなは?」

「任務だか何だかでパスだってー。
 にしても、カカシ先生よく海に行くの許してくれたわね」

「…さぁ…何だか昨日様子おかしかったし、
 嫉妬もしてくれなかったわ。シカマルやナルトの名前も出したのに」

「動揺くらいしたでしょ?だってアンタ、ビキニ買ってたじゃない。
 もちろん今日着てきたんでしょ?」

「着てきたし、昨日も試着したのを見せたけど…動揺はしても、
 すぐ視線を落としてたし…私のこと好きじゃなくなったのかも…」

「アンタにしては珍しく弱気ねー」

「私だってねー……ハァ……何かわざわざ嫉妬させようと
 ビキニなんて見せつけてバカみたい。…やっぱ帰るわ」

サクラは昨日の出来事を話す内に、自分のしていることさえも
空しく感じてきたので、いのに断り家へ帰ってくる。

正直かなり不安だった。昨日みたいなあんな態度は初めて。
家に呼んだくせに恋人らしいことも何もせず、
ただ先生はいつものシリーズ本を読んでいるだけ。

先生にビキニを見せたのも
先生の愛情がどこまで本気なのかを知りたかったから。
“そんな水着着て行くな!”って怒って欲しかった。



家に戻ると、サクラの母が驚いた様子で玄関にやってくる。

「あれ?アンタ緊急任務じゃなかったの?
 さっきカカシ先生が来られて緊急の任務が入ったって…
 いないって伝えたら、それなら大丈夫って出て行ったけど…」

(緊急任務!?それなら大丈夫?)

「わかった!とりあえず今から急いで行って来る!」

母親に荷物を預けると、サクラはカカシを探しに再び出ていく。

“緊急任務”であれば、綱手様に聞ければ分かるだろうけど、
“それなら大丈夫”というのが頭に引っかかり、
いないかもしれないが、まずはカカシの部屋へと急いだ。



「先生!カカシ先生!」

ドアを何度かノックし名前を呼ぶと
“緊急任務”とは思えないくらい落ち着いたカカシが出てきた。

「え…先生、緊急任務ってー」

「オレだってたまには嘘くらいつくさ。…ね」

緊急任務が嘘だとわかり肩を落とす。
そんなサクラの腕を引くと、そのまま部屋の中へ。

「先生、ちょっとどうかしたの?」

「海、行ってきたのか?」

「ええ、さっきまでね。結局いのだけだったから海にも入らず仕舞いよ」

それを聞いて一気に表情が明るくなるカカシ。

「それは良かった。昨日サクラがあのまま帰ったから、
 オレどうかなりそうだったよ」

「先生…ヤキモチ妬いてくれたんだ」

「当たり前。昨日は…ちょっとな。
 オレも呼び出しておきながら悪かったなって…。
 実は昨日、オレの親友の命日だったんだよ」

視線を落とし、そう告げるカカシを見て
サクラは近づくと、ぎゅっと抱きつく。

「先生…ごめんなさい。私、何も知らなくて…」

「…いや、オレこそ今まで自分のことを話そうとしなかった。
 だけど、もう少しで目の前の大事な人まで失くすところだったよ」

「先生が話さなかったのは私が幼かったからでしょ。
 でも…もう私も大人だと思ってもらっても良いんじゃない?」

「ああ、そうだな」

そして、見つめ合うとそのまま引き寄せキスをした。
昨日から膨れ顔だったサクラにもようやく笑顔が戻る。


「そうだ、サクラ」

「ん?」

「何か一応先生と生徒って感じで、他所では一緒に海に行けないだろ。
 だから家でプール代わりの水風呂を用意したんだけど、一緒に入る?」

「もしかしてそのために呼んだの?」

「いけない?」

「ううん!すごく嬉しい!!」

そしてサクラは思い出したように
着ていた服をその場で脱ぎ、ビキニ姿になる。
その姿にまたもや絶句するカカシ。

緊急任務と聞いて海からそのまま向かったため
服の下は水着のままだったのだ。

「サクラ…」

「どぉかな?」

「最高。こんなの見ちゃったからには…水遊びはまた今度!」

「えぇー!」

「その代わり…」

腕を引きベッドに押し倒す。
そしてそのまま口付けすると、首筋、胸と順にキスを落としていく。

「……ん……せん…せ……いつもと違っ///」

「分かってるでしょ、これからどうなるか」

「いじわる…」

「サクラが言ったんだからね。そろそろ大人としてみてって」

「……///」

「サクラ………愛してるよ」



ーENDー



≪あとがき≫
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
前回のカカサクとは打って代わり、
カカティ、ついにサクラに手を出しちゃうの巻でした(笑)
ちょこーっと大人なカカサク。もちろん第二部設定。
最後の「愛してる」ってのはカカシ@和彦さんの声が
ふと出てきたのでつけ加えた台詞だったり。
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