いのが医療忍者を目指して2週間が経ったー。
今日も任務までの合間、魚場で魚を相手に修行をする。
「はぁっっ!!」
手を重ね、目の前に横たわる魚にチャクラを流し込む。
綱手やサクラに教わったことをイメージして、何度も繰り返す。
(医療忍術ってチャクラコントロールが難しいのよねー)
「はぁっっ!!」
(もっと集中してー・・・よしっいける!)
「いのー!」
「…!!…ちょっとサクラ…せっかく今いい感じだったのに~」
「ごめんごめん!それよりそろそろお昼にしない?」
「え…もうそんな時間?
…ったく任務もあるから中々上手くいかないじゃない」
「そう嘆かないでよ。私だってこの段階クリアするのに
そんな簡単にはいかなかったんだから」
「…わかってるけどー」
「ほーら、お昼くらい肩の力抜きなさいよ。お弁当、預かってきたわよ」
ひとまず修行を中断し、サクラと一緒にお昼を食べる。
そこへ通りかかったのは、日向ネジ。
「あ、ネジさん…」
「…修行、頑張っているそうだな」
「ま…まぁ」
それだけ言うと去って行くネジ。2人のやりとりを見たサクラが
物言いたげに笑みを浮かべて、いのを見る。
「…なによー?」
「…ふーんそういう関係なんだ」
「な、何言ってんのよー!ネジさんとは別に―」
「ネジさんねー」
「……ホントに何もないんだって//」
そう言って話を逸らすかのように黙々と食べる進めるいの。
そう、私と日向ネジは本当に何もなかった。
ただ…匠の里との戦い後、何もできなかった自分を責めた。
そんな時、今みたいに偶然通りかかってアドバイスをしてくれたのだ。
“お前にできることをすればいい。
まだ何かできることがあるんじゃないか”…と。
ただそれだけ。まともに話したのはそれが最初だったし。
だけどネジさんの考え方に心を動かされた。
そして、その言葉を信じて私は医療忍者になる決意をした。
それ以来、会うと挨拶くらいはする関係になった。
だけど、サクラにからかわれて体の熱が上がったことを考えると
私は心のどこかで、それ以上の関係を望んでいるみたい。
「好きなんでしょ?」
「…もうアンタだから認めるけどさー、手ごわい奴なのよねー」
「手ごわい?」
「私、中忍試験の時に1回お色気攻撃をしたことあるんだけどさー、
あの時もまったく効かなかったのよねー」
「…アンタねぇ…」
「…あ!もう行かなきゃ!昼から任務入ってるのよー。ごめんまたねー」
時計を見て、慌てて任務へ向かういの。
そんないのを見送りながらサクラは心で呟くー。
(お色気攻撃なんて必要ないじゃない。
だって明らかにネジさん、既にアンタのことー)
綱手から聞いていた集合場所へ行くと、待っていたのは日向ネジ。
このタイミングでネジと2マンセルでの任務とのことだった。
こんなことなら班員を先に聞いておけば良かったと後悔するいのだったが
Dランクの任務だったため、人手のために借り出されたという感じで、
あっという間に終わってしまった。
「よーし!終わった終わったー」
「お前はこの後どうするんだ?」
「また修行に戻らないと」
「修行、上手くいってるのか?」
「…うーん…やっぱり医療忍術の道は険しいっていうか、
まだ第一段階もクリアしてない感じで…」
「医療忍術はチャクラコントロールが難しいと聞いたからな」
「そうなんです。…ネジさんはこの後?」
「オレは報告書を書いて出してくる」
「…ってすいません!私、報告書のことすっかり忘れてて…」
「いや、このくらいオレ1人で書けるから気にするな」
「…優しいんですね」
遠くを見ながらそう呟く。
聞こえていても聞こえていなくても、どっちでも構わなかった。
ただ自分の気持ちをー
「あれ?」
「どうした!?」
…!!
「スズメだ…」
「随分酷い怪我をしているな」
いのが偶然見つけたのは、道端でぐたっと横になっている1羽のスズメ。
酷い怪我のせいで羽ばたけず、段々弱ってきたのだろう。
「…私にはできないよね…まだ修行でも上手くいったことがないのに…」
自分の手を見つめ、力がないことを悔やむ。
そんないのを見て、ネジは再び後押しをする。
「だが、このまま放っておいても死んでしまうだけだぞ」
「……今、自分にできること」
そう言い聞かすと、いのは目を閉じ神経を集中させる。
両手を重ねて、綱手やサクラに教わったことを思い出し、
スズメにチャクラを送り込む。
「はぁっっ!!」
「……」
「……っダメだ、チャクラが足りない…っ」
今朝から修行や任務でチャクラを使いすぎてしまい、
コントロールはできても、チャクラが足りず、悔やしそうに目を閉じる。
そんないのを見て、ネジは白眼を発動させると、
いのの手の上に自分の手を重ね合わせた。
「…!!ネジさん…?」
「…忘れたか?オレが点穴を見れるってことを」
「…えっ……もしかして!?」
「ああ、お前の手の平の点穴を突いてチャクラの流れを増幅させ、
手の平にチャクラが集中するようにした」
「…もう1回……はぁっっ!!………お願い…!!!!」
力を振り絞りチャクラを流し込む。
それでも反応がない鳥を見て、諦めかけたその時ー
「…ネ、ネジさん!!」
先ほどまでぐったりしていたスズメが自分の力で立ち上がり、
羽を広げたのだ。ゆっくり、ゆっくり、自力で羽ばたこうとしている。
そしてー
遂に羽ばたくと、そのまま空へ飛んで行った。
「……で…きた……できた!!やっとできたー!!」
嬉しさで少し目を潤わす。
大声で喜ぶいのの姿を見て、ネジの口元に笑みが漏れる。
「…良かったな」
「うん!」
そう言うと、そのままくるっとネジの方に向きを変え笑いかける。
そしてネジに飛びついた。
「やったー!!ネジさんありがとう!!!!ネジさん大好きー!!」
「お、おいお前…」
喜びの勢いでネジに抱きつき、告白までしてしまったいの。
ネジに言われ、ふと我に返り離れる。
「あ…//」
「…今お前…」
「あ…でもまぁいいよね。さっきの勢いで言っちゃったけど、
聞き違いとかじゃないから!」
「オレはー」
「っ待って!!」
すぐに口を開くネジに、いのは断られると思ったようで、
慌ててネジの口を手で押さえる。
「待って待って!…そんなすぐ断られたら私ショックだし…
なんか帰り道どうしていいか分かんないし、
だから…だから答えはせめて明日にして…ください」
そう言ういのだが、ネジはいのの手を慌てて振り解くー
「…っお前!!オレを殺す気か!」
「あ……」
「…ったくお前のそのせっかちな所や強引な所はまるで女版ナルトだな」
「ちょ、ちょっと何で私がナルトなのよー!」
「すぐに文句を言う所もそっくりだ。
……だが、オレはどうも感情をストレートに出す奴が好きらしいな」
「…ナルトが好きなの?」
「バカか。人の話は最後まで聞け。オレもお前が好きだ」
その言葉を聞いていのの表情が一気に明るくなったのが分かった。
笑顔になり、再びネジに抱きつく。
そして抱きついたままもう一度はっきりと告げる。
「私もネジさんのことが…大好きです!」
ーENDー
≪あとがき≫
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
接点なさすぎて、どう書けばいいか迷いつつ手を出しているネジいの。
文才のせいで上手くまとまらなかったんですが、アニメオリジナルの
匠の里編後に仲良くなった…って設定があればいいなぁーと。
苦手から好きになる瞬間を書こうとしたんですが、無理でした(涙)
ネジはクールなので、感情をはっきり出すナルトやいのみたいな
元気なタイプが好きだと思うんです。そんなネジの将来が見たかった。
NARUTOのその後やBORUTOを見て、そこだけが残念です。。
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