「柚木先輩っ」

屋上にいた柚木に気付かれないように
そっと近づくと突然声を出して驚かす。

「…!!」

「いつも先輩が驚かすから、今日はその仕返しをしてみました」

「…それで俺を驚かしたつもりか?」

無邪気な笑顔を見せる香穂子に近づくと、
顎を軽く持ち上げ、数ミリの距離まで顔を近づけた。

「セ、センパイ…///近いです…よ…」

「お前は本当にオモシロイやつだな」

「…////」

「…顔が赤いぞ。……惚れたか、俺に?」

「いいえ//断じて違います!」

「素直じゃないな、お前は。顔を見れば分かる」

「…っ//そんな…からかわないで下さい!」

柚木先輩を前にするといつもこうなる。
冗談なのか本気なのか分からないけれど
自分にしか見せない裏の一面で迫ってきたり、あしらったり。

最初は少し怖かったけど、
今では素の柚木先輩と話せることが凄く楽しくて。

つい、こうして私もからかわれるきっかけを作ってしまうのだった。

「一緒にいて飽きないな、香穂子」

「っまた勝手に名前で呼ぶ~////」

「ちょうど退屈していたし、もっとからかってやるよ」

「え…」


ふわり。

柚木の髪が顔に触れたと思ったら、
さっきと同じくらい顔を近づけ、そのまま唇へキスをー


「…/////」

「……本気にするな」


唇が触れたか触れていないかくらいの距離で離れていく柚木。
その後姿を名残惜しそうに追ってしまう自分がいた。


(…キス、されるのかと思った……)


驚き、反射的に目を瞑ってしまった自分を恥ずかしく思う。
しかし去って行った柚木の感覚が恋しくなるのだった。



ーENDー



≪あとがき≫
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
以前、拍手のお礼SSとして載せていた香穂子→柚木でした。
コルダで一番好きなCP。でもコルダって他もかなり好きなので
高低差少な目の贔屓CPかも♪ただ書くのは柚木が一番楽しい(笑)
柚木の気まぐれな態度に振り回されつつも好きになる日野ちゃんの話。
片思いENDですが、いつか両想いバージョンも書いてみたいです♪
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