「…ん~」


声に気がつきアスランが振り返ると、
メイリンがテレビを見ながら複雑な表情を浮かべて考え込んでいる。

そんなメイリンを見て、アスランは冷蔵庫から缶ジュースを取り出すと
険しい顔でテレビを見ているメイリンの頬にピタッと当てた。


「冷たッ……驚かさないでくださいよー」

「何見てるんだ?そんな難しい顔して」

「これプラントで流行ってるドラマで、ラブストーリーなんですけど、
 男の人がはっきりしない性格ですっごくじれったいんです。
 でも今日やっとプロポーズができて、感動するかと思ったんですが…」

「どうしたんだ?」

「プロポーズの言葉が納得いかないんです!」

「納得いかないって…」

アスランは軽くため息をつき、メイリンの頭を撫でた。
現実主義のアスランにとっては
所詮ドラマなんてフィクションという思いだった。

そんなフィクション作品を見てこうも真剣に議論できるとは…と
メイリンの様子に呆れつつも、その素直さは微笑ましくも思える。


「だって“俺はお前を幸せにする自信はない。
 だけど自分が幸せになる自信はある”って。
 これがプロポーズの言葉だったんです。でも、これって…
 何かイヤなんですよね、どっちも幸せになる方がいいもん」

そう言ってまた視線をテレビに戻し、考え込む。
テレビドラマなんだから…と言いたかったけれど、
そう言って納得するほど単純な性格ではないことはもう知っている。


「…アスランさんならどう言います?」


話をただ聞いてるだけと思っていたら、突然話を振られて驚く。
アスランは少し考えると、メイリンにこう返した。


「メイリン、君は…俺と一緒にいて幸せか?」

「…え…あ、はい。幸せですよ」

「…なら良かった。俺も幸せだから…」


プロポーズの言葉ではなかったが、
アスランの言葉はストレートにメイリンの胸に突き刺さった。

顔を赤く染め嬉しそうにアスランを見る。
そしてアスランはそんなメイリンを見て赤くなった。


「…やっぱりどんなテレビドラマを見てもアスランさんには敵わないな」

「い、いや俺は別に…その…」

「だってさっきの言葉、凄く胸に響いたもん。ちょっと感動しちゃった。
 ……ねぇずっと一緒にいてくれる?」

「ん?急にどうしたんだ?」

「今が幸せすぎて何だか不安です…」

「…?」

「…何て言えば良いんだろう……あ、ほら!例えば温かいお風呂に入っても
 ずーっと浸かっていれば段々冷めてくるでしょ?
 さっきお風呂に入ったのにもう身体がヒンヤリしてきた…。
 ……だから幸せもいつか冷えるのかなぁって」


そう言い視線を落とすメイリン。

メイリンはこうして度々俺を驚かす。
最初に出会った時は姉を慕っている姿からの印象で
か弱く臆病な子だとばかり思っていた。

しかしメイリンとこうなるきっかけとなったあの時、
自分の危険を顧みず助けてくれた時の勇敢さもそうだったが、
たまに年下だと忘れるほどしっかりしている時があり驚かされるのだ。


少し沈黙を置いた後、アスランから口を開いた。


「…大丈夫。ずっと一緒にいる。ほら、こっちおいで」


アスランに手を引かれソファーに座る。
そして座ったと同時にメイリンを引き寄せキスをした。


「…もうアスランさんっていつも真面目な話をした時は
 これで誤魔化すんだから」

「すまない。…だけど幸せって温か過ぎず冷め過ぎず、
 常温こそが一番幸せなんじゃないか?
 俺は今こうして並んで君と座っているだけで幸せだぞ」

「……アスランさん…///」

「常温が続くことが嫌なら
 俺は君に時々温もりも感じさせてあげられるようになりたい。
 でも冷めることはさせない。…ちゃんと真面目に答えたが、どうだ?」

「…ふふっ…恐れ入りました。
 私もアスランさんと肩を並べているだけで幸せです。
 ちょっと欲張っちゃいました」


そう言ってアスランに寄り添いもたれ掛かる。
そしてもう再び目が合うと、
自然と影が2人から1人へと重なっていくのだったー。



ーENDー



≪あとがき≫
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
初のアスラン×メイリン。私がSEED-Dで1番好きなCPです(*^^*)
アスラン脱走の会はもう神作!ルナマリアの陰にいたメイリンが
自分の意思で飛び込み駆け落ちする(←違)大好きな回です。
この話は、そこから数年後って感じのイメージで書きました。
ちなみに、話で出てきたドラマの台詞は
結構ドラマで実際使われていたりする台詞なんですが
私がいつも納得できてなかったのでメイリンに代弁してもらいました笑
アスランにはストレートにプロポーズしてもらいたいものです♪
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