7月7日ー
織姫と彦星が年に一度だけ逢うことのできる七夕の日。
私も今日、久々にアイツに逢える。
「テマリ、今日は木ノ葉だろ?」
「ああ。中忍試験の打ち合わせがあってな。だから帰るのは明日になる」
「明日?泊まりでか?」
「向こうが宿を用意してくれてるらしいんだよ。同盟国である以上、
そういった付き合いも必要だろ。…って何笑ってんだ?」
「それだけとは思えないじゃん」
「…っ//それだけに決まっている!」
テマリは部屋を出ると慌ただしく支度をする。
いつもなら大雑把にまとめる髪も
木ノ葉へ行く時は丁寧にまとめるようになった。
(アイツ元気にしてるかな?)
恋人シカマルの顔を思い出し、笑顔になる。
いつもはしないリップを塗り、服装にも気を使う。
その様子をこっそり覗くカンクロウ。
(テマリにもこんなカワイイ面があるじゃん)
何となくだがシカマルとの関係に気づいていたカンクロウは、
木ノ葉へ行く時のテマリの様子を見てニヤけるのだった。
木ノ葉に着くと、連絡していなかったのにも関わらず
シカマルが門の前で待っていてくれた。
「久しぶりだな、砂の使者さん」
「…何だその呼び方は?」
「建て前だよ。一応な」
近くにいる門番に目をチラつかせ、目で理由を語る。
そう、私たちは他国同士。いくら同盟国とはいえ、
個人的に親密になることは、あまり良く思われないため
シカマルもテマリも恋人同士ということは公にしていなかった。
「で、木ノ葉の様子を聞こうじゃない。
今回の試験に出る優秀そうなヤツを聞いておこうかね」
「…お前慣れねぇことすると…わざとらしいぞ」
「……悪かったな演技が下手で//」
門を通り過ぎ、少し奥へ入ったところで
周りに誰もいないのを確認するとシカマルは笑みを浮かべ
テマリを路地へ引き込むと、これまでの時間を埋めるように
何度も何度もキスをした。
「お前…///」
久々の再会で少し恥ずかしさもあったテマリだったが、
シカマルの熱い気持ちを感じて、次第に喜んで応える。
こうしている間が至福の時だった。
あまり逢えなくても、逢えた時に満たされるのなら
逢えない時間がどれだけ長くても我慢できる。
「…シカマル…お前また背が伸びたんじゃないか?」
「そうか?お前が縮んでたりしてな」
「そんなことあるか」
こんな些細な会話ですら楽しく思える。
私は本当に、心からシカマルが好きなんだ…。
ーなんて思った瞬間、邪魔が入った。
「やべ…誰か来る!行くぞ!」
そう言って慌てて路地から飛び出すシカマル。
大好きだけど、この時のシカマルだけはどうしても嫌になる。
私は砂の人間で、シカマルは木ノ葉の人間。
それは今も昔も変わらないこと。
だけど…
「シカマルー!」
「…っな、何だナルト…お前か。…驚かすなよ」
「普通に声かけただけだってばよ…。
それはそうと、そちらはまたデェトですかぃ?」
「…ったく前にも言っただろ、そんなんじゃねぇっつーの」
やっぱりこういう言葉を聞くと、
その場限りの嘘だと分かっていてもグサリと響く。
コイツは本当に私が好きなのか?それさえも不安になる。
ー他国同士の恋愛は無理なんだろうか。
テマリは不安からそんな考えが頭を過ぎってしまった。
ナルトと別れ、そのまま連れて来られたのは、とある焼肉屋。
昼時ではあったが、シカマルが自ら焼肉を選ぶのは珍しい。
中に入ると、その理由が分かった。
完全個室で仕切られているテーブルを見て、テマリは悟る。
食事の時も油断大敵ってことか。
つまり私と一緒にいるのを見られたらマズイということである。
先ほどの門での一件は唐突だったので仕方がないにしても、
ナルトとの会話や、完全個室を狙ってきたことなど積もりに積もって、
いくら理解をしていたとはいえ、段々その思いが怒りに変わり、
テマリは不機嫌面になっていった。
しかし、個室に行くとー
「あーテマリさん!シカマルー!遅い遅いー!」
「シカマルー!ボクもうお腹ペコペコだよー」
「悪ィ…ほら座れって」
「え…あぁうん」
入った個室には私たち2人だけではなく、
シカマルと同じ任務班の秋道チョウジと山中いのが座っていた。
驚きで先ほどの怒りは消え去ったものの
どういうことか理解できていないテマリ。
とりあえず、シカマルに言われた通り席へ着く。
すると…
「テマリさん!シカマルに聞いたんですけど、付き合ってるんでしょー」
「え…おま……えぇ!?」
驚くテマリにシカマルが続ける。
「こいつらはオレの幼馴染で、
ずっと一緒に過ごしてきた信頼できる仲間だ。だから正直に話した」
「お前…」
「これからよろしくね、テマリさん」
「あぁこちらこそ」
「よーし!じゃあみんなで食べよう!」
「ったくチョウジは食べてばっかりなんだからー」
いつもの調子で盛り上がる2人に感謝し、シカマルを見る。
「オレだって隠してばっかりはツラいんだかんな」
そう言って拗ねたように目線をそらすシカマルを見て
テマリに笑顔が戻った。
やれやれ…
今回はシカマルの方が一枚上手だったってわけか。
私としたことが…少し冷静さが足りなかったな。
これからはちゃんとお前を信用するよ。
言葉には出さないが、テマリは心でそう誓うと
横にいるシカマルの手をギュッと握って一言…
「ありがとう//」
ーENDー
≪あとがき≫
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
いつしかの七夕記念に書き上げたシカテマ。
遠距離で他国だけど、こっそり仲良くしちゃってますってやつです。
織姫と彦星のようにあまり会えない2人ならではのお話。
テマリ姐さんはなんとなく心で思って言葉にするのが少なそう…
そんなイメージで脳内会話が多めになってしまいました。。
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