「……今日はこの辺で終わりですね」
「ああ、オレはコイツ(ナルト)を運んで帰るから
お前は先に帰ってていいぞ」
「ありがとうございます」
「また明日、朝から頼んだよ」
「ええ…わかりました」
(まったく、人使いの荒い人だ…)
日が沈み、修行に付き合っていたテンゾウはやっとの思いで開放された。
ナルトの九尾を押さえるための任務ではあるものの、
連日の任務でナルトより疲れが溜まっていた。
(…こういう時こそ彼女に癒してもらわないと身が持たないな…)
ガチャ。
期待を胸に扉を開けるとー
アイツがいるのか、いないかがすぐに分かった。
「…この甘ったるい匂いがあるということは…」
(来てるな)
案の定、中へ入ると大好物の甘栗甘の団子とぜんざいを食べて
ソファでくつろいでいるアンコがいた。
「おっかえり~」
「ただいま」
「私もさっき終わってさー。はい、おみやげ」
「ってどうせ団子とぜんざいでしょ」
「あったりー♪任務の後はやっぱりコレよねぇ~」
「それはキミだけ。
ったくナルトもあんなコッテリしたラーメンが好きだし、
ボクの周りの人はどうも変わってるな」
「そぉ?ね、それよりナルトの修行は上手くいってるの?」
「まぁね。押さえているボクがバテてるくらい。
だから早く帰ってきたんだよ、アンコに癒してもらおうかと。
なのにキミは団子に夢中か…」
「あーら団子に嫉妬してるの?」
咥えていた団子をお皿に置くと、ヤマトに近づきキスをする。
「……っちょ…待て」
「ん?」
「甘い…胸焼けしそ~」
「なーによ。失礼ねぇ」
「団子とぜんざい食べてコレはないだろ…はい、水飲む!」
「はいはい、飲めばいいんでしょ、ヤ・マ・トくん」
「家にいる時はそれで呼ぶなって」
「冗談よ、冗談」
水を一気に飲み干すと、アンコは部屋の明かりを落とす。
そしてそのままテンゾウをソファに押し倒した。
「…普通逆なんじゃない?」
「癒して欲しいって言ったのはどっちかしら?」
「相変わらず野生的だねぇ…まぁそこが気に入ってるんだけど」
「それは光栄ね」
私とテンゾウがこんな関係になったのは死の森から帰った頃だった。
三代目に大蛇丸の実験で生き残った人がいるってのは聞いていたけど、
彼が暗部だったこともあり素性は一切知らなかった。
そして死の森で私が大蛇丸と再会する。
大蛇丸を取り逃がしたことを
悔やむ気持ちでいっぱいだった私の元に彼が現れた。
本当なら暗部は素性を明かしてはいけないが、
彼は私のことを三代目にでも聞いたのか自分から名乗ってきた。
ーそして惹かれた。
大蛇丸に利用されたもの同士、惹かれるのに時間は要らなかった。
愛され愛し、テンゾウと一緒にいることで
呪印の痛みを感じることが少なくなった。
「…っ…あ……んっ……」
「何かあったか?」
「え、何が?」
「いつもと違って今日は…色っぽいから」
「…///…アンタこそいつもより口数が多いのね!」
「……大蛇丸」
「…!!」
突然出された言葉にピクリと反応する。
(大蛇丸…)
どんなに楽しくても、どんなに満たされていても、
結局いつもそうだった。「大蛇丸」という言葉を耳にしただけで
身体が嫌でも反応してしまう。
「…やっぱりね。様子がおかしいと思ったら…」
「何で分かるのよ…」
「お前の仕草だよ。さっきから肩に触れようとする度、避けるだろ。
前に海の国から帰った後もそうだったから…」
「何でもお見通しってワケね…」
一旦ソファに座りなおし、首の付け根に浮かび上がる呪印を押さえる。
(何か…何か感じるのよね…)
痛みはないのに疼くこの感じ。
「痛むのか?」
「ううん、違うけど…胸騒ぎ…みたいな。
なんだかアイツが近くにいるような気がしてならないのよね…」
爪で呪印を突き刺し、顔をしかめるアンコを見て、
ヤマトは仕方がない、と口を開いた。
「野生的な分、勘も鋭い…か。
……実は少し前の…ほらスパイの任務って言ったのを覚えてる?」
「スパイの任務?…あぁあれね。
私も別任務があったから詳しくは知らないけどー」
「ーあの時アイツに会った」
「…!!」
「本当は内緒にしておこうと思ったけど……怒ってる?」
「違っ!帰ってきてくれて良かったって思ってるのよ!」
「…ありがとう」
そう言うと、テンゾウはアンコを引き寄せギュッと抱き締めた。
そして今度はテンゾウが上になり、アンコにキスをする。
「ボクはもう過去から出て行く。
アイツがやってきたって動じないし、闘う覚悟がある」
「……」
「お前も三代目に恥じないように、しっかり生きるんだ。
アイツが来たら守ってやる」
「テンゾウ…」
「…それでも呪印が気になるならこれでどうだ?」
テンゾウはポケットから肌色のテープを取り出し、
アンコの首の付け根に貼り付けた。
医療で使われる肌色のテープなので、呪印が目立つことがなくなった。
「…これ…」
「気休めになればと思って…医療班に頼んでもらってきた」
「ありがとう」
もう一度礼を言うと、再びテンゾウに抱きつきソファに押し倒す。
「…疲れてる?」
「うん。だけど癒してくれるなら元気になる」
「そ。じゃあ遠慮なくー」
床を伝って軋む音と共に深い口付けを交わす。
「…やっぱり野生的だよ、お前は」
ーENDー
≪あとがき≫
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
初のテンゾウ×アンコ。そして超マイナーなのに推しCPです(^^;
大蛇丸に利用されて捨てられたアンコと
大蛇丸に実験に使われた体を持つテンゾウ。
テンゾウがオロチーの実験体って知った後から
急にテンアン(ヤマアン?)熱が出てきたのです。
死の森で虎に囲まれピンチになったアンコさんを助けてくれた暗部が
テンゾウだったら…とコミックスとアニメを見直し、暗部の面が
テンゾウと違うのを確認してガッカリするほど好きなんです←
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