「上忍のシズネさん、恋人いるんだってー」

「忙しくて恋愛どころじゃないって嘆いてたのに…で、相手は誰なの?」

「それがイニシャルにGのつく人としか教えてくれなくて」

「Gって言われてもねぇ…一体誰かしら?」

「それ以上はまだ秘密だそうよー」


噂話に花を咲かせるのは木ノ葉のくノ一たち。
団子茶屋で噂話に没頭する。没頭しすぎて後ろに座っているのが
今話題にされているGだということに誰も気付いていない。


(女ってのはどうも噂話が好きだよなぁ……ま、いっか…噂だしなぁ)


そんな事を思いながら噂をされているシズネの恋人Gは
団子を食べ、呑気にお茶を飲む。
どうせ暫くすれば別の噂話になるだろう、そう思っていた。


しかし、運の悪いことに最近楽しい噂話に尽きていたようで
この噂は木ノ葉中で一気に広まった。
それはシズネが付き人をしている五代目火影・綱手の耳にも届いておりー



「…しかし、シズネのやつ…この私にも教えてくれないなんて
 一体どんな男と付き合ってるんだ?」

「綱手様が知らされていないなら私たちが知ってるはずないですね」

やはり五代目火影とて木ノ葉のくノ一。噂話が好きなのは同じだ。
シズネに聞いたところで答えが返ってこないので、
任務を引き受けにきた紅に聞いていた所だ。

「紅、お前はイニシャルGと聞いて誰が思いつく?」

「Gねぇ…あ、ガイも当てはまりますけど…そんな訳ないでしょうし…」

「………いや、有り得るかも知れんな。相手がガイだと意外と言われる、
 それが嫌で教えてくれない。これなら筋道が通る。同じ上忍だしな」

「本当にガイなんですか?ガイは何も言ってませんでしたけど…」

「いーや、きっとそうだな。私の勘は割りと当たるんだよ」


そして今度は綱手によって、
ガイとシズネが付き合っているという噂が凄い勢いで広まったのだった。

その噂の張本人シズネは、里を歩いているだけで聞こえてくる噂に
毎日頭を悩ませ、そろそろ真相を話そうと決意していた。


そんな矢先、シズネは思ってもみなかった出来事に遭遇する。



「…全く、毎日噂話を持って来られて集中できないじゃないですか!」

「そう怒るな、シズネ。
 それに、そろそろ私には報告してくれてもいいんじゃないか」

「そうですね。私ー」

「ちょうど任務もあるし、呼んでおいたんだよ。もうじき来るだろう」

「…え?」

「お前の恋人Gだよ。……お、ほら来たぞ」

「ええっ!?」


ノックが鳴り、Gと言われた人物が中に入って来ると
シズネは鈍器で殴られたかのような感覚に陥った。


(綱手様………もしかして………)


「ほら、2人とも照れるな照れるな!まさかGがガイだとはねぇ…」

「な、何の話ですか?」

「いやぁシズネがガイみたいなタイプが好きだったとはなぁ…
 私も最初は正直驚いたよ。ガイも隅に置けないな」

「…なんですとっ!?シズネさんが、こ、このマイト・ガイに
 好意を持って下さっているのですか!?」

「何言ってる、お前達いつから付き合ってるんだ?」


よく分かっていないが、好意を持たれていると聞いて喜ぶガイ。
そして噂をした張本人、綱手。着々と嬉しそうに話をする綱手だが、
ショックを受けていたシズネが耐え切れなくなり、ようやく口を開いた。


「綱手様!!ちょっと待って下さい!!」

「いいじゃないか。2人の馴れ初めを聞こうと思ってだな」

「…あひぃ――!!ガイ先輩だと解釈されてたなんて…綱手様っ!!」


そう言い残し、シズネは逃げるように火影部屋から立ち去る。
残されたガイと綱手は愕然としてその場に残されたのだった。




部屋を飛び出したシズネは走って木ノ葉のとある場所へと向かった。
いつも本当のイニシャルGと待ち合わせをしている場所。
人目のつかない2人だけの秘密の場所へ。


「…っと来た来た。どうした?任務長引いてたのか?遅かったな」

咥えている千本を上下に動かしながら話しかける。

「ゲンマ~」

シズネはゲンマを見て安心し、近づくとギュッと抱き締める。

「おっと、どうした?」

「…あの噂…知ってる?私がイニシャルにGが付く人と
 付き合ってるって言ったのを聞いた誰かが広めた噂」

「あぁそーいや、茶屋でも話してたやつがいたっけか。
 まぁ噂なんてすぐ忘れられるもんだしな。気にするなよ」

「違うの!そのGがガイ先輩だと間違われてて…」

「っく」

シズネとガイの姿を想像して笑うゲンマを見て、シズネは軽く睨む。

「もう、他人事だと思って…」

「悪ぃな。だけどまさかガイさんとオレを間違えるか!?」

「だいたい綱手様が…っ!!」

顔を真っ赤にして怒るシズネに
ゲンマは幼い子をなだめるような手つきでそっと頭を撫でる。

「……大丈夫。オレはシズネが好きなんだからな、分かってるだろ?」

「…うん、そうね、ありがとう」

ゲンマを見つめてそっと抱きつくシズネ。
ゲンマはそれに応じるように力強く抱きしめた。

シズネにとってもそれは心地よく、
先程までの怒りと呆れを忘れさせてくれたのだった。




そして、その日の夜-

「綱手様!そんなに知りたいなら直接聞いて下さいよ!
 あんな噂を勝手に作るなんて!」

「そうですよ!綱手様!オレがどれだけ恥をかいたことか!!」

「「綱手様っっ!!!」」

勝手に噂を作られ、交際相手を話すことになったシズネと
勘違いをして喜んでしまったガイからの猛抗議はしばらく続いた。




ーENDー




≪あとがき≫
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
ゲンシズはマイナーですが、私は1・2位を争うくらい好きなCPです。
歳の差も丁度いい感じだし、同じ班員だったり、ビジュアル的にも
勝手にお似合いだと思っています♪
ちなみに普段タイトルを決めて話を書くことがほとんどなのですが、
完全に遊び心が勝ってしまいました(笑)
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